いやーこれは凄かった。
めちゃくちゃ響いた。
なんていうんだろう。
愛というと確実に違うのだが、
他にピタッとくる表現が見つからない。
直接的に伝えるのではなく間接的に、
やったことすら知らなくても良い、一方で見返りを求めないとも違う愛的なるもの。
この愛的なるものが秀逸に表現されている。
登場人物の関係性・キャラクター・発生する出来事それぞれが絶妙なバランスで配置されていて、
素晴らしい調和が生まれているのだ。
実際はそんなお金出さないだの、
現実的ではないだのという指摘はここでは野暮というもの。
なぜならミステリという側面は正直たいしたことないから。
ここに期待して読まないほうがよい。
スケールが小さいのでミステリ欲しさに読むと物足りなさを感じると思う。
そうではなく、この本は人間讃歌を味わう本だ。
P.S.
余談だが、この著者はなんでこんなに読みやすいのだろう。
同時並行で違う小説を読むと、この本の読みやすさが際立っていた。
十数年前に読んだ「半落ち」や未読の「64」も読んでみようと思う。
ノースライト(横山 秀夫 / 新潮文庫)_人間讃歌とはこのこと
2022-05-03
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